新しい住まいを見つけて引越しするには手間もお金もかかります。
敷金・礼金・前家賃・手数料・保険料などの名目でかなりの費用が発生しますよね。
引越し費用を安くしたい方に人気の敷金・礼金なし物件が最近、注目されていますが、場合によってはお得にならない場合も。
敷金礼金なし物件のデメリットや抑えるべきポイントやその理由も詳しくご紹介します。
Contents
条件が悪い部屋である場合が多い
まず何故、その部屋を敷金礼金なし物件するのか?最大の理由は早く入居者を決めたいからです。
でも、入居者が決まらないのは必ず理由がありますそのご注意点をご案内しますね。
敷金礼金なし物件になる原因の一つに駅からかなり遠く周りにコンビニもない不便な場所という理由があります。
または、築年数が20年以上で老朽化している、横に建物があり日当たりが悪い、工場の近くで騒音があるなど。
ただ、立地条件に関するものなら内覧されると思いますのである意味わかりやすいと思います。
地方で車を持っているのなら不便はかなり解消されるでしょうが、そのかわり駐車場が近くにあるか?金額はいくらか?
バス・電車など公共交通機関を利用される方は駅から15分程度などという話を鵜呑みにせず実際その場所から駅まで歩くまたは、バス・電車の時刻表など必ず確認されると良いでしょう。
敷金礼金なし物件は保証会社との二重契約になる場合が多い
敷金礼金なし物件の場合は賃貸条件の中に保証会社との契約も入ってくる場合がほとんどです。この、保証会社についてご説明します。
保証会社は物件所有者の大家あるいは仲介をしている管理会社と入居者との三者間で契約を結び、入居者の家賃や退去時のトラブルを主に金銭面で対応・処理する会社です。
以前は大家さんや不動産会社・管理会社が対応したものですが、近年とみに退去時の現状復帰・家賃の滞納などのトラブルが多発しこじれて長引く傾向にあります。
そこで、このような保証会社に対応を依頼することになります。敷金礼金なし物件だけでなく、保証人無し物件の場合もこの保証会社との契約が入ります。
入居者はこの保証会社へも家賃の他に月々保証料などの名目で、家賃の数%程度の費用を払わなければならないのです、これは、ご存じでしたでしょうか?
敷金礼金なし物件を契約するときに、最も抑えるべき点はこの保証会社との契約です。
賃貸物件は大体1年から2年更新ですが更新前に入居者の都合で退去する場合、この保証会社へ違約金を支払う契約を結ばされます。
この、違約金は物件によってもかなり差がありますが家賃半月分から2ヶ月分くらいが相場です。
部屋が気に入っただけですぐ契約せず、この保証会社の契約内容をよく確認されるとよいでしょう。
敷金礼金なし物件で家賃滞納すると入室できなくなる
ニュースなどにも問題として大きく取り上げられており、お聞きになったことがあることでしょう。
訴訟にも発展している案件も有ります、滞納にはご注意を。
通常の場合も、大家さんや管理会社は契約を交わす時には非常時には入居者の許可なく入室できる権利が有ることを契約書では必ず明記しています。
これは、ガス漏れや室内で怪我・病人がいるなどよほどの場合に限られます。
しかし、敷金礼金なし物件では前項でも書いた保証会社の判断で入室権利を持つことを契約書に明記します。
これは保証会社からみれば、滞納を続けられれば金額も大きくなり全額回収が難しくなるという考えがあり、悪質な滞納者にはかなり強硬な対応もされる場合もあります。
敷金礼金なし物件で契約するときは家賃の滞納は絶対にしないように、延滞金も徴収され荷物も処分されたという話もあります。
批判を呼び裁判になっている案件も各地でありますが、家賃を滞納しているという前提があると立場は弱いです。
同じ条件の他の部屋と比べて管理費が高くなっている
敷金礼金なし物件と同じ条件で、礼金無しで敷金有り物件の近隣の部屋と月額費用を比較して高い金額はないでしょうか?
敷金礼金なし物件は初期費用を安くしできるだけ、早く入居者が入りやすくしてありますが、大家さんや管理会社はその分退去時の費用を何らかの方法で抑えておくものです。
その為、敷金礼金なし物件ではなんらかの項目で月額費用が高くなっています。
最近は30年一括借り上げなどのCMでアパートやマンションが乱立し借り手市場になっている場所がほとんどです。その為、大家への礼金はほとんどなくなっています。
比較すべきは礼金無しで敷金1ヶ月分くらいの物件と敷金礼金なし物件での月額費用の違いです。
月額料金が余り変わらない場合は退去時に費用が高額になる場合が多いです。
退去時にクリーニングや現状復帰以外にも退去処理手数料などの名目で何か費用は発生しませんか?また、更新料が他と比べて高くなっていませんか?
1年あるいは2年の契約更新で退去する場合などのトータルの家賃・保証料・管理費・退去事務費用はいくらかなどを必ず契約時に確認しましょう。
他の部屋で利用できるサービスが使えない
敷金礼金なし物件の部屋の設備にトラブルがあり、同じ建物でその部屋だけがサービスを受けられない場合があります。主にインターネットサービスの場合が多いです。
最近のマンション・アパートでは建物一括単位でインターネット利用可能、または部屋毎の契約でインターネットを利用できるところがほとんどです。
ところが建物の構造上、敷金礼金なし物件の部屋へはマンションプランなどの低廉な金額のインターネットが利用できない場合があります。
インターネットを利用する配管がつぶれていたり、その一部屋のみ修繕することができなかったり、莫大な費用が発生する場合などです。
他の部屋では毎月3,000円から4,000円位でインターネット固定回線が利用できても設備の無い物件の部屋で直接、部屋に直接引き込みとなると1,000円から2,000円月額利用料金が上がります。
一例をあげると開通工事で、NTTだと集合住宅と直接部屋に引き込みでは3,000円位料金に差がでます。
また、電話を利用する際にもIP電話なら500円位なのにインターネットが引けないとアナログ固定電話で1,700円と基本料金は3倍です。
ちなみにアナログ固定電話の工事料金は2,000円から最大12,000円位です。
WiMAXなど無線も不安定でコンクリートのマンション内では電波が弱いなど不便を感じることもあるでしょう。今時ですから、インターネットを利用するのは大前提だと思います。
仲介する管理会社や不動産会社に契約前に「集合住宅タイプでインターネットが利用できるか?」という確認をしましょう。
敷金礼金なし物件はクリーニング・カギ交換代が高額って本当?
これもよく問題になっている部分です。カギの交換やクリーニングについてご説明しますね。
そもそも、カギの交換代は借り主が負担するのだろうか?という質問が知恵袋などに多く寄せられていますが、基本的にこれは借り主負担です。
なぜなら、借り主の生活や安全を守るためのカギだからです。
この、カギ交換代については普通の物件でも、敷金礼金なし物件でも、金額は大体同じ程度と考えて良いでしょう。
大きく分けて鍵は3種類位に分かれます、普通の合い鍵で作成できる鍵の交換代は安くても2,000円~5,000円以内。
カギ屋さんで防犯の為普通より複雑なカギに加工していただくと8,000円前後。ピッキングができないタイプのカギだと15,000円位です。
ご注意する点はこの金額以上要求されている場合は、手数料が加算されている可能性があります。
特に敷金礼金なし物件では最初の入金が無い分、いろんな名目をつけて費用を請求されがちです。
また、インターネット上ではカギ交換代を取られても、交換していないのではという話もありますが不安なら自費でカギ屋さんに頼むという方法もあります。
退去するとき元に戻すと約束し合い鍵を管理会社などに渡すという、条件なら了承されると思います。
そして、敷金礼金なし物件で1番のトラブルになるのが最後の現状復帰とクリーニング代についてでしょう。
クリーニング代の一般的目安としては2LDKで34,000円位が相場です。しかし、これはあくまで目安で丁寧に清掃されていれば3割位は安くなる場合もあります。
普通に敷金を納めている部屋も、敷金礼金なし物件の部屋もクリーニング代や現状復帰料金に違いは有りません。
最初に、敷金を納めていないので最後に出費がかさむのはやむを得ないことです。
引越し時の慌ただしい中での立ち会いだと思いますが、どの部屋の壁紙を貼り替えるか、絨毯を張り替えるかそして、費用はいくらかかならずその場で写真やメモを取るなど記録を残してください。
原状復帰についてどの程度の金額になるかを退去するときの話合いで曖昧にしているとトラブルが起きやすいです。
正確な費用は最終的に業者さんが仕事を終えた後に確定しますが、その明細も要求し不明点は、管理会社に説明を求めましょう。
しかし、敷金礼金なし物件を借りていた方は工賃以外の「退去事務手数料」などの名目で高額な請求が出されたり、保証会社からも同じような名目で二重に請求されがちです。
入居時から退去するときの手数料など、詳細をあらかじめ確認してくださいね。
まとめ
一見、お手軽に入居できそうな敷金礼金なし物件についてまとめましたがご参考になりましたでしょうか?
敷金礼金なし物件は入居される方にとっては初期費用が少ないなど、利点が多く感じられると思いますが、けっしてそれほどお得ではない場合が多いです。
大家さんや管理会社にとっては、入金が少ない分不安に感じるモノです、そこで保証会社やいろんな名目をつけて費用を高額にする物件が多く散見されます。
トラブルを起こさないためには、敷金1ヶ月程度の同条件での物件との比較をお勧めします。
せっかくの新しいお住まいを不安や悩みにかえず、快適に過ごすためには最初の契約確認を徹底しましょうね。
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