新たな住居を探し、見つけるには不動産会社や個人で経営する不動産屋にお世話になるのが一般的です。
希望するエリアで、広さや間取りのほか、家賃や環境、最寄りの駅までのアクセスなど、条件に見合った物件を探すことは簡単ではありません。
引越す期限までに希望の条件を満たす部屋が見つからなければ、最終的には何かを妥協するしかありません。
賃貸物件からの引越しの場合だと、現在の住居と新住居の家賃が重複することを避けるため、解約の申入れから1カ月以内に見つかればベターです。
どんな世界でも共通しますが、良心的な会社と悪質な会社があるのが、この世の中です。
ここでは、失敗しない不動産業者を選ぶ賢い方法をご紹介します。
Contents
一般的な不動産会社や不動産屋の探し方
インターネットの普及で、まず最初はオンラインで空き物件を検索したり、無料で配布されている賃貸情報誌などで希望する部屋を探すのが一般的です。
引越すエリアで希望に近そうな物件を見つけると、次は実際に出向いて、仲介や管理を担当している不動産業者を訪れることになります。
インターネットや情報誌、業者訪問
現実には、インターネットや賃貸情報誌で、気に入った物件が見つかっても、掲載時とのタイムラグから、すでに契約済みとなっているケースもあります。
中には、家賃が安くて、綺麗な好条件の物件を「客寄せパンダ」にして、意図的に家賃が高い他の物件を勧めてくる悪質な業者もおりますので、注意が必要です。
店舗の外見や見た目にとらわれない
少なくとも希望に近く、それに似た物件があれば、従業員の対応や接客態度、雰囲気が重要です。
明るい笑顔で出迎え、希望条件に近い空き物件を次々に探し、紹介してくれる、お客様目線の対応なら良心的です。
不動産業者の店舗規模や広さ、綺麗さで判断するケースも見受けられますが、これは外見や見た目にとらわれ過ぎで、業者選びの要素としては問題ではありません。
大手で知名度がある不動産会社のチェーンだと、店舗は広く綺麗で、中小や地元の不動産業者だと狭い店舗のケースも多くなります。
業者は物件探しのプロですので、親身に相談に応じてくれたり、希望する部屋があれば、数件でも一緒に内見させてくれるところがおすすめです。
物件のデメリットも説明する業者は安心
気に入った物件のほか、それに近いものや好み、予算を考慮して他の物件もいくつか情報提供してくれるような不動産業者は信頼性が高いと言えるでしょう。
物件のデメリットを説明してくれる業者も安心です。
訪問した店舗での対応や他の客に仲介してる従業員がいれば、その様子なども要チェックです。
希望する物件があれば、すぐに取扱うオーナーや管理会社などに電話して空き状況を聞いてくれるなど、手際が良く、手間を惜しまず、スピーディーなら期待できます。
また、物件の動きが早い不動産業者なら頻繁に電話が鳴り、FAXが入ります。
不動産業者の種類
不動産業者には、取扱い物件の種類によって、いくつかに分類できます。
住宅の売買の場合は、売主と買主の間に、第三者となる不動産業者が入り、仲介や契約に関わる手続きなどを行うことが通常です。物件のタイプごとに説明します。
不動産の取引形態による分類
住宅の購入では、販売代理会社や仲介会社が直接の窓口となります。
そのほか、分譲物件の企画や事業管理を行うデベロッパーをはじめ、建築会社、マンションのケースでは管理会社などがあります。
不動産業者は、新築マンションでは販売代理会社またはデベロッパー、一戸建て購入では住宅ーカーや工務店、デベロッパー、販売代理会社、仲介会社です。
中古マンションや一戸建て購入の場合は、不動産業者は仲介会社または売主です。
賃貸物件の場合は仲介業者と管理業者
賃貸物件の場合は、仲介業者と管理業者の2種類があります。中には、両方を同時に運営している不動産業者もあります。
仲介業者は、オーナーや家主(大家)、管理業者から依頼を受けた賃貸物件に入居者を紹介する不動産業者です。
多くの仲介業者は空室などの部屋情報をキープしており、他の管理業者もほぼ同じ情報を取扱っているケースが一般的です。
仲介業者の収入は、仲介手数料がメインになります。
管理業者は、オーナーや家主(大家)から委託されて部屋を管理、維持している不動産業者です。
家主(大家)自ら、部屋を維持、管理している場合もあります。管理業者の長所は、仲介業者を挟まず、家主(大家)との関係が身近なことから、家賃や条件面などの交渉がし易いことです。
どちらの業者から借りるべきか?については、仲介業者の礼金は家賃2カ月分が一般的です。
管理業者から借りれば、仲介手数料が不要と考えるケースもあるようですが、これは直接、家主(大家)と契約する場合だけで、その場合でも管理業者によっては1カ月分を請求するところもあります。
仲介手数料をケチると、何かトラブルがあった時のほか、退去時や賃貸借契約の更新などは、すべて自ら交渉することになります。
最もおすすめは、仲介業者と管理業者の双方を兼ねた不動産業者です。
というのは、管理業者が持つ賃貸物件の中には、仲介業者には流さない部屋があり、この物件は非常におすすめです!
なぜなら、好条件の物件はすぐに借主が見つかるので、仲介業者に依頼しないのです。この業者は仲介業者も兼ねているので、諸手続きもやってくれ、安心して任せることができます。
知っておくと便利な不動産の豆知識
不動産業者が賃貸物件を仲介、斡旋する場合の収益の一つは仲介手数料です。
近年、これが無料や半額という不動産業者が見受けられます。今後のために、知っておけば何かと役に立つ便利な不動産の豆知識をご紹介します。
仲介手数料無料や半額の不動産業者は?
この仲介手数料を無料や半額にする仕組みは、家主や貸主側が提供する広告料なのです。
特に、人気が無い物件や早く部屋を貸して家賃収入を得たいケース、何らかの条件が悪い物件を市場に出すために、この広告料を付けるようです。
つまり、不動産業者が仲介手数料を値引きし、不足分を広告料でカバーする仕組みです。さらには、貸主に収める「礼金」が、不動産業者にそのまま流れる場合もあるようです。
これは、現実にはお得な割引ではないので、仲介手数料が無料や半額で飛びつくと、広告料が付いたワケありの場合があります。
加えて、初期費用を安く抑えたとしても、実はあまり良い物件ではないこともあるので、気を付けましょう!
ただし、中には広告料付きの物件でも、業者のキャンペーンなどで実際に良い物件が安く市場に出ることもあるので、これに巡り会えた場合は最もラッキーな選び方になります。
物件数No.1や地元で一番は本当?
よく見かけるのが、「取扱い物件数No.1」的な広告やうたい文句を掲げる不動産業者。
実は、かつてのアナログ時代なら、この宣伝手法は通じたかもしれませんが、現在では不動産業界にもIT化の波が押し寄せています。
不動産情報の明確化や健全化という目的から、国土交通大臣の指定を受けた公益法人「不動産流通機構」が運営するシステム「Real Estate Information Network System(通称レインズ)」で、物件情報は不動産会社共通のデータベースで管理されています。
今では、インターネットを通して、どこの不動産会社でも全国の物件を検索できるようになっています。
宅地建物取引業法に規定された免許を持つ不動産会社で、指定流通機構の会員となっている業者は、会員間で不動産の情報提供システムを利用すれば、リアルタイムで情報交換が行われ、同時に共有しています。
現在では、かつてのように自社の持ち物件だけで営業するケースは少なくなり、他の不動産業者が持っている物件でも紹介は可能なのです。
よくある駅前の不動産業者は?
すべてがそうという訳ではありませんが、まず明確にいえることは、人が集まる駅前の一等地は地価や店舗の家賃は高いのが普通です。
そうなると、どうしても固定費を回収する傾向にあり、ノルマの設定が高くなります。こういう店舗では、従業員も営業優先で、早く契約を決める傾向にあります。
例の広告料がある物件から優先的に提案することも多いようです。
じっくりと、自分の希望に近い物件を探したいと思っていても、回転率を上げたい駅前の不動産業者では、すぐに物件を決めようとするので、できれば避けた方が無難です。
引越し後に後悔しては遅いので、他の業者も必ず訪れて見ることをおすすめします。
路上の看板や派手な広告の業者は?
常識で考えても分かることですが、本来、無断で公道や歩道、電柱などに看板を設置するのは法律や条例違反です。
地元の不動産業者なら、地理には詳しいはずですが、こういう基本的なことを守れないようでは、不動産や法律の知識も詳しくないか、いい加減な姿勢が伺えます。
こういう業者なら、自ら違法なことでも平気で、怪しい物件を扱っているケースも想像できるので要注意です。
最近では、インターネットの発達で、溢れるような不動産情報を簡単に見ることができます。
ただし、残念なことに、中には集客するための「おとり物件」にするために、安くて綺麗で便利な物件を目立つ位置に掲載。
それに釣られて訪ねてきた客に、「タッチの差で契約済みでした」、などと言って別の自社が契約させたい物件や希望条件とはかけ離れている儲け率が高い物件を押しつけてくるような、悪質な不動産屋が情報を操作しているケースがあるので、気を付けましょう!
住むエリアや環境、交通アクセスの良さ、部屋数などから地元の賃貸相場があるので、極端に「安い」など売りにしている派手な広告の不動産屋には注意が必要です。
もちろん、きちんと誠実に対応している不動産業者や従業員もいますが、不審に感じたら他の業者にも足を運ぶべきです。
一部の評判がすべてではない
一般論ですが、不動産屋と聞くと、あまり良い印象を持たないケースも多いようです。
確かに、動く金額が大きいためか、質の悪い業者が参入するケースもあるようです。
利益至上主義の業者に対しては「不動産屋の常識は、世間の非常識」ということも聞かれます。
競争の激しさから、情報の不正な操作をするような一部の悪徳業者もいたり、一般人が分からない専門知識に乗じて、不要な礼金を上乗せする詐欺まがいのようなケースもあるようです。
しかし、それがすべてではなく、誠実に利用者サイドに立って、不動産業を営む企業や個人もあります。
今度の部屋探しでは、良い不動産業者に出会えるよう、賢く選びましょう。
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