いよいよ引越し当日がやってきました。新居での新しいスタート、新たな環境に期待と不安で一杯ですね。引越し作業は、想像以上に心身ともに疲弊します。
余裕を持って滞りなく引越しができるよう、当日に自分たちで行うことと、全体的な引越しの流れについてご紹介しましょう。
仮に、転勤のためご夫婦で引越しをする「山田さん」を設定し、時間の経過とともに状況を追っていきます。あなた自身が引越しするつもりになって、ご覧下さい。
心構えの参考になるでしょう。
起床から引越し業者到着まで
引越しの荷積みから荷降ろしまでの日数に注目すると、大きく「当日引越し」「翌日以降引越し」に分けられます。
「当日引越し」は、慌しく疲れますが時間短縮が図れ、「翌日以降引越し」は、日数はかかっても余裕を持って引越しできるのが利点です。また、荷造り等のサービスを利用する方法もありますね。
山田さん夫婦の場合は「当日引越し」「自分で荷造り」の設定で、「午前10時に引越し業者到着」としました。
- 午前06時 起床・身支度・寝具片付け
- 午前06時半 軽食
- 午前07時 冷蔵庫と洗濯機の確認・清掃
- 午前07時半 電化製品のチェック、ガス台・エアコン掃除
- 午前08時 カーテンの取り外し
- 午前08時半 戸棚等チェック
- 午前09時~ 予備時間
起床・身支度・寝具片付け
引越し当日は、予想していなかった作業や用事が発生するものです。業者が到着する3、4時間前には起きましょう。
脱いだパジャマなどの洗濯物、歯ブラシ、ハンドソープ等は、「『すぐ開ける』段ボール」(新居で荷解きをする際、分かりやすいように「すぐ開ける」と記載しておく)を用意して、種類ごとにビニール袋にまとめて入れておくと、大変便利です。寝具は、ふとん袋等に梱包しておきましょう。
引越し作業中は、ほこりが立ちますし、清掃もあるので、エプロンを着けておくと気持ち良く作業できますよ。荷物一覧、メモ用紙、ペン等を入れるポケットがあると、尚良いです。
携帯電話、財布等を身に付けておくために、ウエストポーチやミニショルダーバッグが便利です。
軽食
忙しい1日の始まりです。朝食はしっかり取りましょう。できれば、水道・ガス・電気を使わずに済み、出るごみも少ない「おにぎり、パン、飲み物」がおすすめです。
前日に用意しておくか、当日の朝、近くのコンビニエンスストアに走りましょう。食べ終わったら、ごみは「最終用ごみ袋」(退去までに出るごみを入れる)に入れておきます。
冷蔵庫と洗濯機の確認・清掃
冷蔵庫と洗濯機は、前の晩に電源OFFし、冷蔵庫は中の物を取り出し、洗濯機は、水気を切るために、可能であれば排水用ホースの先を外しておきます。
当日の朝、それぞれの状態をチェックし、残った水気をふき取っておくと丁寧です。コード類は紐やワイヤーでまとめ、本体に養生テープ(あとではがれやすい)等で貼り付けると運びやすいでしょう。
冷蔵庫は、可動棚を外して下側にまとめると、破損防止になります。扉は養生テープで留めておきます。
洗濯機のホースは、大抵の場合、業者さんが取り外してくれます。取り外したホースは、ドラム内に入れて運ぶと便利です。
ビニール袋を用意して洗濯機の外側にテープで留めておきましょう。
どちらも、移動した後、驚くようなほこりや汚れが現れ、掃除が大変です。可能なら少し移動するか傾けて、できる範囲で汚れを取っておくと後で助かりますよ。
電化製品のチェック、ガス台・エアコン掃除
電化製品は、まずコード類を抜いていきましょう。ほこりを簡単に取り、コードは冷蔵庫と同様に本体に貼り付けておくと、持ち運びが簡単です。
ガスコンロと、エアコン本体・室外機は、簡単に掃除しておきましょう。
カーテンの取り外し
忘れがちなのがカーテンです。各部屋のカーテンを取り外してビニール袋にまとめ、「『すぐ開ける』段ボール」に入れておきます。
戸棚等チェック
「さあ出ようと思ったら、キッチンの棚にフライパンが残っていた!」「靴をうっかりしていた!」というのもよくある話。戸棚など収納箇所の最終点検をしましょう。
予備時間
当日は、引越し業者の到着までに余裕があればあるほど、助かります。間に合っていない荷造りをしたり、「段ボールが足りなくなった!」とホームセンターに走ったりすることもあるかもしれません。
梱包済みの段ボールは、業者が運びやすいよう1つの部屋にまとめ、重い物から出口に並べておきましょう。
また、これは選択自由ですが、荷積みが終わったときに、担当者に缶コーヒーやペットボトルのお茶等を渡すと喜ばれますよ。
もし渡そうと思う場合は、前もって用意しておくか、当日、業者の到着までに近くの自動販売機やコンビニエンスストアで買っておきます。2、3本用意しておくと充分です。
ご近所へのあいさつは、できれば前日までに済ませておきましょう。
引越し業者による荷積み作業中
さあ、引越しトラックが到着しました。プロの担当者がテキパキと廊下等にキズ予防のマットを敷き、洗濯機やエアコンの取り外しにかかり、段ボールを次々に運んでいきます。
ここから急に時間の流れが速くなります。荷積み作業は、1時間程度で終わると想定しておきましょう。
- 午前10時 引越し業者到着・荷積み作業開始
- 午前10時すぎ ガス会社、エアコン業者到着
積み荷の点検、清掃
運び出しはプロに任せ、作業の邪魔にならないようにしましょう。プロの仕事は手際が良く、あっという間に積み終わるので、積み荷の一覧を手に、運び残しがないか1つひとつ点検をして下さい。
洗濯ホースの収納
洗濯機のホースを取り外してもらったら、用意していたビニール袋に入れて、ドラム内へ入れてもらいます。
「『すぐ開ける』段ボール」梱包
状況を見て、「『すぐ開ける』段ボール」に荷物を入れてガムテープで留め、トラックに載せてもらいましょう。
荷物の運び出しが終わった所から、キッチン、寝室という風に場所ごとに掃除を進めていけば、その後の時間短縮につながります。
ここで役に立つのが、当日の清掃等で使う物をまとめた「『トラックに載せない!』段ボール」です。新居での荷解きの際にも使うので、間違えて業者トラックに積まないよう「トラックに載せない!」と記載しておきましょう。
「『すぐ開ける』段ボール」「最終用ごみ袋」とあわせて準備しておくと、きっと「あって良かった!」と思いますよ。
「『トラックに載せない!』段ボール」
- ほうき・ちりとり(ベランダ、玄関掃除用)
- フローリングワイパー・替えシート
- ウェットティッシュ
- 箱ティッシュ・トイレットロール1個
- はさみ
- ガムテープ・養生テープ・ひも
- 雑巾・ビニール袋数枚
- メモ用紙・ペン、太字油性ペン
ガスの閉栓、エアコン取り外し
ガスを閉栓し、エアコンを取り外すために、ガス会社と電気工事業者にあらかじめ予約を取っておきます。
業者に来てもらう日は、当日でなくても、前もって別の日にしておいても構いません。都合の良い日に設定しておきましょう。
当日であれば、引越し作業を1日で済ませられることと、ガス、エアコンを当日の朝まで使用できることが利点。一方、別の日に設定しておけば、当日業者でごったがえすことがないでしょう。
山田さんの場合は、当日としました。担当者へ料金の支払いがスムーズにできるように、封筒にちょうどの金額を入れて用意しておき、作業後に渡します。
荷積み完了・業者トラック出発
引越しまでの準備にかかった時間が嘘のように、瞬く間に荷積み作業が完了しました。
- 午前11時 最終点検・荷降ろし打ち合わせ
- 午前11時すぎ 引越し業者トラック出発、住居の清掃
- 午前11時半 管理会社or家主さん到着
最終点検・荷降ろし打ち合わせ
荷物の一覧表をもとに、担当者と一緒に改めて最終点検をします。屋外に置いた自転車やバイクはうっかり忘れがちなので、要注意です。
また、転居先に荷降ろしをする時刻について、しっかり打ち合わせておきましょう。
道路の込み具合やトラブルも想定し、引越し業者を待たせることがないよう、余裕を持って予定を立てます。お昼の時間を取るかどうかも相談しておきましょう。飲み物等を準備している場合は、ここで渡しましょう。
住居の清掃・荷物まとめ
トラックを見送った後は、住居の清掃です。ここでも「『トラックに載せない!』段ボール」の各種道具が活躍します。
管理会社の担当者等が最終チェックに訪れるまでに、残りの荷物は整理してまとめておきましょう。
管理会社・家主さん到着
住居の最終確認のために、前もって予約を取っておいた管理会社の担当者、または家主さんが到着します。一緒に住居内の点検をし、敷金の返還等についても確認しておき、鍵を渡して完了です。御礼の品を用意している場合は、このときに渡しましょう。
マイカーにて出発・新居到着
いよいよ、住み慣れた家ともお別れ。新天地へ向けて出発です。途中で、コンビニエンスストア等に寄って軽食を調達し、小休憩を取りましょう。
荷降ろしを終えるまで、もうひと頑張り必要です。ここで、できるだけリフレッシュして、安全運転に気を付けて新居へ向かいましょう。
- 午後00時 マイカーにて出発
- 午後14時半 新居へ到着
- 午後15時 引越し業者トラック到着
- 午後15時半 荷降ろし完了
- 午後15時半すぎ ガス会社、電力会社、エアコン業者到着
新居へ到着
長いドライブも終わりに近付き、新しい街へとやって来ました。そして、新居に到着。「『トラックに載せない!』段ボール」を携え、鍵を開けて入りましょう。
新居の管理会社に連絡を取り、到着した旨を伝えておくと良いです。「管理会社に立ち寄ってほしい」「後で新居をお訪ねします」等、都合を知らせてもらえます。転勤先にも一報入れておきましょう。
また、水が使えないと困るので、水道の開栓は、新居到着までにしておいてもらえるよう、事前に水道業者に依頼しておくことが大切です。
引越しトラックの到着まで、時間に余裕があれば、ご近所にあいさつをするのも良いと思いますが、引越しの第4コーナーです。体力温存のためにも、とりあえずは体を休めましょう。
ひと息入れた後に、フローリングワイパーで簡単に掃除を済ませ、段ボールから必要な物を取り出し、洗面所やトイレを使えるようにしておくと、気持ち良く、便利です。
引越し業者トラック到着
約束の午後15時より少し早く、引越しトラックが到着しました。いよいよ最終段階です。
荷降ろしは、荷積みよりも早く終わります。
荷物の点検・キズの確認
荷物がすべて運び入れられたか、一覧表を元に点検します。また、大切な家具にキズがついていないか、チェックしましょう。
もしもキズがついていた場合は、引越し業者に伝え、今後の対応についてよく確認しておくことが大切です。
荷降ろしが完了したら、担当者と一緒に最終点検をします。料金の支払いについては、引越し業者によって異なりますが、現金払いの場合は、用意しておいた封筒を渡しましょう。
感謝の気持ちで、最後にも飲み物を渡すと、喜ばれると思います。「ありがとう」の言葉を添えて、トラックを見送りましょう。
ガス会社・電力会社・エアコン業者到着
ガス、電気、エアコン等について、新しい街の業者については、新居の管理会社から前もって資料が送られていると思います。
当日使えないと困るものは、事前に新しい街の業者に連絡を取っておき、当日、手続きに来てもらいましょう。
引越し完了「お疲れさま」
早朝に起床してから、何時間が経ったでしょうか。怒涛のように引越し作業が進み、引越しトラックを見送った後、心身ともに疲れがどっと出て来ると思います。
本当に「お疲れさま」でした。
引越し当日の流れについて、時間を追ってご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
「引越しは忘れた頃にやって来る」ではありませんが、何度引越しを経験しても、うっかり忘れたりハプニングに見舞われるものです。
当日の手順を把握しておけば、あなたの状況に応じて、さまざまな課題を見付けることができるでしょう。スムーズな引越しができますように。
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